脳医学者・瀧靖之先生と考える「超高齢社会の未来」シマダ未来財団が課題に挑む学生たちへエール
公益財団法人シマダ未来財団(東京都渋谷区 / 代表理事:島田成年)は、2026年5月16日(土)、奨学金の普及啓発事業としてセミナーを開催いたしました。当日は、財団の奨学生選考委員を務める東北大学加齢医学研究所教授・脳医学者の瀧靖之先生による基調講演をはじめ、シマダトラベルパートナーズ株式会社代表取締役の栗原茂行による講演、2025年度奨学生による研究活動報告、パネルディスカッションが行われました。
会場には学生や一般来場者など約50名が集まり、「超高齢社会」という日本の大きな未来の課題に対してどのようにアプローチしていくべきか、多様な視点から学びと意見を深める時間となりました。
■シマダ未来財団が目指すもの—普及啓発活動の目的
シマダ未来財団では、奨学金支援にとどまらず、社会課題に向き合う次世代人材の育成を重要な使命としています。
現在、日本は深刻な高齢化に直面しています。当財団は、この課題を解決するためには、従来の福祉や介護の枠組みを超えた「多様な視点」が不可欠であると考えています。
多様な分野を専攻する学生たちがこの課題に主体的に向き合い、これまでにない新しい価値を生み出す未来へ。当財団は、返済不要の奨学金給付を通して、そんな「未来の実現」に伴走しています。こうした私たちの取り組みや想いを広く知っていただくため、今回のセミナーを実施いたしました。
■当日のプログラム内容
1. 【オープニング】代表理事・島田成年挨拶:「社会貢献の輪をさらに広く」
島田からは、2026年4月に当財団が一般財団法人から「公益財団法人」へ移行したことをご報告いたしました。この移行は、財団が「社会に広く貢献する公的な組織」として正式に認定されたことを意味します。
島田は「みなさまと一緒に社会貢献の輪をさらに広げていける準備ができました。財団のさらなる発展にぜひご期待ください」と力強く結びました。

2. 【基調講演】脳医学者・瀧靖之先生:「超高齢社会をビジネスにつなげることは、とてつもないやりがい」

続いて、財団の選考委員でもある脳医学者の瀧靖之先生(東北大学加齢医学研究所教授)にご登壇いただき、「生涯健康脳」をテーマに基調講演を行っていただきました。
瀧先生は、脳の萎縮を防ぎ健康を維持するためには「運動」「好奇心」「会話」「食事」「睡眠」「幸福感」「旅行」の7つの要素が極めて大切であると解説。さらに、ご自身が立ち上げたスタートアップの事例を紹介しながら、「超高齢社会」が抱える課題をビジネス(社会実装)につなげていくことの圧倒的な面白さとやりがいを語られ、社会課題解決を目指すビジネスや研究を志す学生たちにとって、多くのヒントが詰まった内容となりました。
参加者からは、「『利他的な行動が自身の幸福につながる』というお話が深く心に残りました。今後の自分の事業や研究を進める上でも、常にこの視点を大切にしたいです」といった声が寄せられました。

3. 【講演】シマダトラベルパートナーズ・栗原茂行:「新しいアイデアを具現化するために必要なこと」

瀧先生の医学的アプローチに続き、高齢者向けの旅行やバーチャルツアーを企画・運営するシマダトラベルパートナーズ株式会社の代表取締役・栗原茂行がマイクを握りました。
栗原は、2025年の大阪・関西万博で実施した「ユニバーサルツーリズム(誰もが楽しめる旅行)」のプロジェクトを例に挙げ、新しいアイデアを単なる思いつきで終わらせず、どのように具現化していったのかを解説。自身の実体験をもとに、「まずは熱意を持って行動を起こしてみること」の大切さを語りました。
4. 【未来を担う若者たち】2025年度奨学生による活動報告
イベントの中盤では、2025年度の奨学生2名が登壇。現在取り組んでいる研究成果のプレゼンテーションを行いました。

◆ 山崎 翔大朗 さん (工学院大学大学院 工学研究科 建築専攻 修了)
テーマ:「共生を支える器」
複数世帯が一つ屋根の下で暮らす「拡大家族」のライフスタイルについて実態調査を実施。多様な人々が共に暮らす中で、どのような住宅デザインや空間設計が、より快適で豊かな繋がりを生み出すことができるのか、具体的な建築プロポーザルを提案しました。
◆ 篠原 かれん さん (東京理科大学大学院 創域理工学研究科 経営システム工学専攻)
テーマ:「後期高齢者の健康予測と実務化」
自治体と緊密に連携し、健康診断における後期高齢者の問診データをAIや統計学を用いて分析。現在の生活習慣が将来の健康状態にどのような影響を及ぼすかを先回りして予測する研究を行っています。現在は専門医のアドバイスを受けながら、予測だけに留まらず「どのようにアプローチすれば生活改善行動に繋げられるか」という実務化・社会実装に向けて研究を進めていることを報告しました。
客席の学生たちからは「同じ世代として大きな刺激を受けた」「一気に視野が広がった」といった声が上がっていました。
5. 【パネルディスカッション】「常に考え続けることが、自分軸の発見につながる」

最後に、瀧靖之先生、栗原茂行、島田成年の3名による、これからの社会を切り拓く学生たちに向けたパネルディスカッションが行われました。 ビジネスや研究を進める上で、自分の「ブレない軸(価値尺度)」をどこに置くべきかというテーマに対し、三者三様の答えが返ってきました。
・瀧先生:「美(洗練されているか)」
・島田:「感動(人の心を揺さぶるか)」
・栗原:「心が動くこと(ワクワクするか)」
アプローチや言葉に違いはあれど、「異なる分野や職業を掛け合わせる(かけ算)ことで視野が一気に広がること」、そして「現状に満足せず常に問い続け、考え続けることが大切」という共通のメッセージが、学生たちへ向けて送られました。
◆会場からの質問: 「どうして、不確定要素の多いビジネスを前にしても、ずっと自信を持っていられるのですか?」
瀧先生:「私は『もしこれが起きたらこう対応する』というリスクヘッジのシナリオを、常日頃から徹底的に考えています。そして何より、ビジネスにおいては『自分が楽しくて仕方がないこと』を原動力にしています。そこまで突き詰めていると、たとえ途中で失敗したとしてもそれは『成功にたどり着くための貴重なプロセス(過程)』に過ぎないと思える。だから、失敗すらラッキーだと捉えられるようになりますよ!」
心強いメッセージに、会場全体が勇気づけられました。

6. 業務執行理事・國仲伸浩より:「多様な挑戦を、これからも応援」
セミナーの締めくくりとして、業務執行理事の國仲から昨年度の奨学金応募状況について、音楽や美術、テクノロジーなど、これまでの福祉の枠を超えた実に多岐にわたる分野のレポートが集まったことを報告。応募者のバックグラウンドも非常に幅広く、「超高齢社会」の未来を共にデザインしていく仲間が確実に増えている手応えを語りました。加えて当財団は、専門性や学部の垣根を超え、未来の社会を変えていく多様な学生を支援する財団であることを改めて強調し、イベントを盛況のうちに終了いたしました。
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