研究発表と交流を通じて、高齢社会の未来を考える
公益財団法人シマダ未来財団(東京都渋谷区 / 代表理事:島田成年)は、2026年10月3日(土)、奨学金の普及啓発事業としてセミナーを開催いたしました。本事業は、財団の活動を広く知っていただくため、定期的に開催している取り組みです。今回は、奨学生による研究発表を中心に、選考委員の先生方からの講評や参加者同士の意見交換を行いました。研究分野や立場を越えて学び合い、それぞれの研究の可能性を広げる機会となりました。
■「高齢=成熟」という視点から考える
理事長の島田成年からは、高齢社会を「成熟社会」と前向きに捉え、年齢を重ねることで培われる文化や伝統、経験の価値を大切にしたいとのお話がありました。また、参加者同士の交流や若い世代の活躍への期待が語られました。
講評では、脳科学を専門とする瀧靖之先生より、社会の課題やニーズを捉え、自身の強みを生かして解決につなげることの重要性について、教育学を専門とする金子嘉宏先生より、子どもたちの自由な発想を社会をより良くするアイデアへとつなげ、失敗から学びながら挑戦を続けることの大切さについてお話しいただきました。また、奨学生代表による研究発表や意見交換も行われ、年齢を重ねることの価値や可能性について考える機会となりました。



■3名の奨学生が研究成果を発表
続いて、奨学生代表3名が、それぞれの専門分野から取り組んでいる研究について発表しました。

◆ 中山 瑞生さん
東京大学大学院 工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻
テーマ:「高齢社会における視機能維持を支える網膜硝子体手術支援ロボットの研究」

◆ 鈴木 我信さん
慶應義塾大学 環境情報学部 環境情報学科
テーマ:「『見たいだけ』をあきらめない未来へ ― 歳を重ねても、芸術と社会参加を楽しめる仕組みをつくる」

◆ 中村 将吾さん
順天堂大学 国際教養学部 国際教養学科 グローバルヘルスサービス領域
テーマ:「和アートセラピーによる高齢者施設利用者の気分変容と交流促進に関する実践研究」
医療技術、芸術への参加、アートセラピーと、3名の研究テーマはそれぞれ異なりますが、いずれも高齢社会における暮らしや社会参加のあり方につながるものです。多様なアプローチから課題に向き合う研究が紹介されました。
■研究を深め、実社会での可能性を探る意見交換
研究発表後には、参加者から質問やアドバイスが寄せられ、研究内容への理解を深めるとともに、今後の研究の発展について意見が交わされました。
また、研究を実際の現場で生かす可能性についても話し合われ、シマダグループの事業や施設との連携、実証実験に向けた相談など、研究と社会をつなぐ具体的なアイデアも生まれました。
専門分野や立場の異なる参加者と意見を交わすことで、自分の研究を新たな角度から見つめ直し、今後の取り組みを考える機会となりました。
■プログラム終了後も続いた交流
プログラム終了後のフリータイムには、事前アンケートで交流を希望した相手との意見交換をはじめ、実証実験に向けた相談、学生同士の情報交換、シマダリビングパートナーズや理事長、選考委員の先生方への個別相談が行われました。
終了時間が迫るなかでも会話が続き、研究についての相談から新たなつながりまで、参加者それぞれにとって実りある交流の時間となりました。
■参加者の声
事後アンケートには16件の回答が寄せられ、そのうち81.3%の方が「とても満足」と回答しました。参加した奨学生からは、次のような感想が寄せられています。
「同じ課題に対して、様々な視点から挑む仲間の存在やその取り組みに触れることができ、自身の取り組みへのモチベーションに繋がったため。」
「本セミナーを通して『高齢=成熟』という新たな視点を得たことで、高齢化に対するネガティブなイメージが払拭され、社会問題へ多角的に向き合う姿勢が身につきました。直接参加できたからこそ、会場の熱量や参加者の方の温かい雰囲気といった『肌感』をリアルに楽しむことができ、大変貴重で有意義な時間となりました。」
「意見交換会では、事前に意見交換してみたいと思った方や、先生方から助言をいただくことができてよかったです。」
※いずれも奨学生からの感想(一部抜粋)
今回の事業では、研究発表を通じた学びに加え、参加者同士の対話から新たな視点や連携の可能性が生まれました。異なる分野で研究に取り組む仲間や、専門的な知見を持つ先生方、社会との接点を持つ関係者との交流は、研究をさらに深めていくうえで大切な機会となります。
シマダ未来財団は、これからも奨学生の学びと挑戦を応援するとともに、研究や交流を通じて、一人ひとりがよりよく生きられる未来につながる機会をつくってまいります。
詳細は奨学生の決定および本イベントの開催報告については、プレスリリースでも発信しております。ぜひあわせてご覧ください。
